ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
来月はハロウィンです。私が子どものころはまだハロウィンはそれほどメジャーなイベントではなかったため、「ハロウィンの思い出」といわれてもいまいちピンとこないのですが、クリスマス前に秋っぽいイベントがあるのも楽しいものですね。ハロウィンといえばカボチャをくり抜いてランプにする飾りつけが有名です。実際に作るのは結構大変そうですが、秋っぽいオレンジ色のカボチャの飾りは外国の秋のお祭りらしいムードを盛り上げてくれます。仮装をテーマにしたイベントなども楽しそうですが今回はハロウィンの飾りつけを撮ってみましょう。
ちょっとよってカボチャのアップを中心に周りにすこし脇役を入れて撮ったのが作例2です。この部屋の照明はタングステン灯でした。タングステンの明かりは赤っぽい色がかぶるため暖かみのある色になりますが、WB〔ホワイトバランス)をオートに設定していたため、この赤みを消すためにカメラが色を補正しています。色については人それぞれの好みがありますので、「こうじゃなきゃだめ」などと言うつもりは毛頭ありませんが、私はもうちょっと暖かい色合いにしたかったのでWBを太陽光に設定して撮り直しました。それが作例3です。こうするとカボチャのランプのオレンジ色っぽい光の色はそのままオレンジ色に写りますし、カボチャの色もオレンジ色で暖かいイメージの色合いになります。
ハロウィンは夜のイメージが強いイベントですので、ちょっと夜っぽい感じにするためにマイナス補正をかけてみました。作例4では-1補正して周りを暗く落としています。これも人の好みによりけりなのですが、ランプ(というハイライト)を引き立てるにはちょっと周りが暗いほうが効果的です。暗い中にぽつっと明かりがあるほうが明かり自体が印象的に見えます。フレーミングにもよりますがちょっと露出補正しながら撮ってみると明るさの違いによって写真の印象が変わるのがよくわかります。補正幅は状況によっても違いますのでいろいろ補正幅を変えて撮ってみて後で好みのカットを選ぶといいと思います。
ランプを撮るなら余計なハイライトは省く
ハロウィンのイベントをやっている洋館で、カボチャのランプを飾ったテーブルを見つけました。全体に秋っぽいイメージのテーブルセッティングで花やクロスなども暗めの色調でまとめられていました。カボチャの周りの飾りも入れて一枚撮ってみたのが作例1です。このままだとちょっとカボチャランプのインパクトが弱い感じです。背景をぼかすことでカボチャを主役にしようとしましたが、背景に窓が入っているため画面内にランプよりも明るい部分が出来てしまったことが大きな原因のひとつです。暗い中のハイライトは画面内で結構目立ちます。ですから下手にハイライトを画面内にフレーミングしてしまうと目をひいてしまい、主役の存在感を損なってしまうことがあるのです。この場合のように全体が暗いトーンで占められているときは、主役のカボチャに視線を集中させるため、余計なハイライトを入れないようにしましょう。