ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
花がきれいな季節です。先々週も花畑の写真の話をしましたが、今回はガーデンを撮ってみましょう。県内に大きな植物園があり、バラを中心としたガーデンっぽいデザインの庭になっているのでそこで写真を撮ってみました。広い敷地にいろいろな種類のバラが咲いています。こういった植物園などではいつ行っても何かしらの花が咲いているようにそれぞれの植物を育てているので一日でいろいろな花を撮ることができます。暑くも寒くもなく屋外が気持ちいい季節です。花を撮りに出かけてみてはいかがでしょうか。
ガーデンのイメージで撮るなら花だけ撮るのもいいですが、ガーデンらしいアイテムを画面に入れるのもいいと思います。[作例(3)]は木製のベンチを入れて撮ってみました。花のフェンスだけで撮るよりもこういった木製のガーデンらしいアイテムを入れることでデザインされたガーデンのイメージを再現することができます。ガーデンの場合、こういったベンチやプランターなどもガーデンデザインのうちです。花とのバランスをとりながらちょっと人工物を入れると写真の中でアクセントになります。ただし、このようにポイントとして使う人工物はガーデンのイメージに合ったものを選びましょう。これがプラスチックの殺風景なベンチであったら全体の雰囲気が台無しになってしまいます。木製のものなどナチュラルな素材でガーデンの雰囲気に合うものを選びましょう。
[作例(4)]と[作例(5)]はどちらも広角、縦位置でバラの鉢を撮った写真ですが、背景のイメージが違うことで写真の印象もだいぶ違うことがわかると思います。[作例(4)]は背景が近いためちょっと狭苦しい感じになっていますし、正直に言って背景がつまらないです。[作例(5)]のほうは後ろが広場になっているので開放的なイメージになりますし、背景が遠いことで後ろがぼけますから写真全体としてバランスの良い印象になっていると思います。このように同じようなものを似たようなフレーミングで撮っていても背景の選び方によって写真の印象が大きく変わります。主役に重なる背景としてどんなものがよいのか、まずは主役の周りをウロウロと歩き回り背景をさがしてから撮るようにしましょう。
全体を撮るには順光
普段花の写真については曇天または逆光をおすすめすることが多いのですが、全体を引いて撮るような場合は順光か斜光がおすすめです。色を鮮やかに見せる場合は順光のほうが向いています。一輪の花をアップにするときなどは影がうるさい順光や斜光ではきれいに撮れないのですが、全体を撮る場合一輪の花がアップになることはほとんどなく花弁の影などは気になりません。それよりも花の色を鮮やかに写すことのほうが大事になるので光がカメラ側から当たる光線条件のほうがよいということになるのです。また、逆光だと空が白っぽく写るので、空がフレーミングに入るときも空が青く写る順光のほうが写真全体が鮮やかな印象になります。[作例(1)]は順光、[作例(2)]は逆光で撮りました。空の色が青いとそれだけで写真全体が鮮やかな印象になります。