修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2007.08.29
縁あって大森幹久氏と知り合う。
それは、製造元の修理サポートが終了し、故障した愛機の修理が出来ないので何とかならないかの問い合わせであった。
快く引き受けて、完成納品をしましたら大変喜んで頂き、その後、友人の修理も紹介をして頂きました。
大森氏は、職人を撮り続けて30年。平成14年に三冊目となる集大成の「東京の職人・技と誇りを伝える百人の匠たち」を出版した。
氏は本を通じ「日本は、職人の技術を原点として技術立国になったが、今日本人はモノ作りを忘れている」と嘆く。
中を見開くとレンズを通した職人の息吹を感じる。
大森氏の描写力にはただただ関心をするばかりである。
見て楽しめるお勧めの一冊と思います。
「 大森幹久氏より謹呈された著書:発行所・淡光社 」
蕎麦同好会で紹介すると「早速買ったよ!」と連絡があった。
買われた方は、蕎麦打ちだけでなく刃物を研ぐのも趣味としており、師匠である店主に「店の包丁を研がしてくれと」懇願するがさらりとかわされてしまう多趣味の持ち主だ。
「ニコンS2の距離計部」
竹細工職人には思い出がある。
レンジファインダーの直角プリズム裏側(赤点線部)の清掃は、僅かな隙間しかなく、汚れの清掃が困難だ。
プリズムを外せば済むが調整が大変である。
ある日、新宿の地下街で竹細工の実演をしており、長い時間職人の竹を操る技を見ていた。
其処に薄く削がれた竹があり欲しくてたまらない。
おそるおそる「戴けないかと」お願いすると気持ちよく分けて戴いた。
戴いた竹を見ながらしみじみと「こんなに薄く削げるのですね!」と問うと、竹職人の方が竹の削ぎ方を教えてくれた。
見も知らぬ人に技を教えて戴き感謝である。
和紙で竹を包み清掃をすると見違えるようになる。
それでも、隙間の無い個体は日本橋本町にある小津産業(小津和紙)の方に相談し、麻を原料とした清掃紙を紹介して貰い清掃範囲が広がった。
多くの方々に助けられた修理部時代であった。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。