修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2007.11.21
古に三共光機と言うレンズメーカーがあった。
暫く忘れていたレンズが破棄される寸前、救出したのである。
懐かしい漆黒の塗装に過去の記憶が蘇る。
三共光機全盛の頃は、良く修理がきたものである。
お手頃価格のせいかもしれない。
レンズは、ご多分に漏れず「霧の摩周湖」状態、絞り羽根粘りのICU行きだった。
絞り固定環に張り付いた絞り羽根、油分の湿潤があり、接着剤で着けたようである。
絞り羽根にある二カ所のダボ(突起)は原始の様相で打ち出しとなっている。
この打ち出しは、気を付けなければならない。
経年変化と言うより錆の腐食や疲労破壊により、乱暴な扱いをすれば破損して万事窮す。
でオシャカとなる。
曇ったレンズは、ガラスマイペットで拭いてみるが、残り物に福があり?
レンズ研磨剤(酸化セリウム)で一拭きすると透明感が戻る。
油分の湿潤がある絞り羽根は、無理に絞り固定環から分離せず、向日葵状態にし、Aベンジンで洗浄し、一枚一枚、慎重に清掃する。
組み込み、動かした絞りの形状は、円形となり、ボケ味が良かったのであろうが、三共光機の経営陣に突っ込み役がおらず何時しか消えてしまった。
日本橋店中古売場 田口由明
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