修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.01.31
フォーカルプレーンシャッターは、最高速速度が開いているか?チリチリ虫が鳴いているか?が油切れの症状です。
枚数計・スローガバナを外した様子です。シャッター速度制御部が丸見えとなりました。
外したスローガバナはベンジンで洗浄し注油をします。
前板を外した様子です。先・後膜軸が現れ、油分の切れた軸受けに注油を致しますと往年の音色が戻るんですね!
そして、洗浄・注油したスローガバナを取り付けると鈴虫の鳴き声が聞こえます。
小生、何故か1/8秒の音色が好きです。
長年働いた絡繰り機構も手を加える事で蘇ります。1と0の世界では、こうは行きません。
磁石に通電中はシャッターが開き、通電がOFFすると閉じて虫の鳴き声がしないのです。
制御するICの闇の中で脳梗塞が起これば作動しなくなってしまい、万事休すです。
人も同じで、加齢により健康に障害が起こります。
「たけしの本当は怖い家庭の医学」で動脈硬化の血管手術の模様を放送していました。
足の付け根の血管よりカテーテルを入れ、血管狭窄部にステントを置いてくることにより、血流を確保するのですが、その際、狭窄部のプラークが剥がれ落ちて脳 梗塞になってしまいます。そこで、先行して狭窄部の先にパラソルを開いて、剥離したプラークを受け止めるのです。正に指先の魔術です。
機械式写真機は、所有者自身が健康状態を把握し、何時までも虫の音色と共に写真を撮り続けて頂きたいと願うばかりです。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。