修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.02.07
レンジファインダーの距離計ビームスプリッターは、経年変化やカビの食害?により距離を合わせる為の二重像が見えづらくなり、代替え部品の手当に苦労をしているようです。
オリンパスペンFTにもビームスプリッターが使われ、分割した入射光を受光素子に導いています。多くの個体は露出精度に問題が在りますが、このビームスプリッターもご多分に洩れず腐食が見られ、ピント合わせの際は目障りなのです。
太陽の黒点だらけと言ったところでしょうか。
ならばと、AF一眼レフのシャッターミラーを試すことにしました。
この、シャッターミラーの応用については「おとなの工作読本」NO.10?蘇れ!名機達 ヤシカミニスター編で紹介を致しました。今度は、オリンパスペンFTに応用です。
身近で手当出来たのがOM―40とα303でビームスプリッターの透過率をオリジナルと比べてみましてα303が近似値となりました。
硝子素材の厚さは、オリジナルが1.0mmOM-40が0.9mm?α303が1.2mmの厚さです。ファインダーを覗くと見えた黒い汚点の原因は、ビームスプリッターの腐食により光が反射されずに黒く見えるのです。実際は黒く腐食した訳ではないのです(腐食ミラーを参照下さい)。
交換したペンFTです。太陽の黒点も消え、疑似ペンFVの完成です。左側にペンFTの露出TTLナンバーが見えるのは、ご愛敬です。
ピントも合わせやすくなりましたね!そして、自己満足の中で、ふと、考えたのです。
何か可笑しいよね!露出計が働きを終えているのだから透過率を考えることが無意味なのに気が付いたのです。透過率の低いOM-40のビームスプリッターを選択すれば、オリジナルに比べ、より多くの光が反射されるのでファインダーが明るくなるのでは、と思うのです。そうなれば、暗いF値のレンズもピント合わせが楽だよね!
次回は、この事と、未だ働いているがビームスプリッターの腐食がある固体に試すことにします。
日本橋店中古売場 田口由明
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