修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.04.16
奔走して愛機の部品提供機を探したよ~。「是非とも修理を頼みたい」との相談である。
対物プリズムの張り合わせが剥離しており、合致像が見えづらく見栄えも悪いようだ。
2台のキヤノンL2を同時分解し、距離計一式を分離する。僅かな作業台が外した部品に占領される。部品の紛失や行方不明は死を意味する緊張の時間が始まった。
分離した距離計一式。プリズムやレンズの清掃をする。汚れたグリスも交換だ。
下町の横町並の隙間しかない直角プリズム(赤点線部)裏面のカビ清掃は、麻の和紙が大活躍をする。麻の強い繊維のお陰である。
入れ替えた距離計は、屋根に登って時を告げる雄鳥の如し、清々しい二重像をもたらしてくれた。(古の漫画に「アサ~」と雄鳥が鳴く場面があった)
そもそも、今回の経緯に至ったのは、キヤノンL3のチリチリ虫の鳴きの修理を受け付けたことに起因する。
優雅な虫の音は、人が近づけば鳴りやむが、カメラのチリチリ虫は泣きやまない。
洗浄・注油して、本来の作動音に戻って退院したが、個体を替えて押しかけ入院してきたものである。
同僚は苦笑いをする。又、受けちゃったよと。。。。。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。