修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.04.28
発売年: | 1962年 |
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レンズ: | C.C PETRI 45mm/F1.8 |
サイズ: | 131×78×75mm |
シャッター速度: | B・1秒~1/500秒 |
重量: | 約635g |
電池: | セレン光電池 |
当時価格: | 18,400円 |
栗林写真工業製のシャッター機構部の全容で、プロンター系の亜種である。
販売競争には、価格と外部調達をせずに自社生産を選んだ過程には苦労が絶えなかったと聞いております。
絞り羽根に油分の潤湿が見られ、作動が重い。之までの機種は、シャッター部を座金で締め付けてあるだけですので、緩んでシャッターチャージ不足の持病がありました。
そこで、赤丸部のネジを長めにしてヘリコイドへ楔のように差し込み持病は全快しました。
絞り羽根押さえ板を外すも、縛り羽根と仲良しに、固く貼り付いている。
間もなく、絞り羽根の破壊が起きたことと思う。
Aベンジンで油分を洗浄する。
油分を洗浄するとカビの痕跡が現れた(羽根の一部が黒いのは光線の加減)。
之では、絞り羽根が擦れる度に胞子を削ぎ落とし新たなカビの発生素となる。
カビは、水溶性の為、洗剤で洗い流すと綺麗になりました。セレンも元気に活動をしています。
何らかの救命を要する患者(問題ありのカメラ・レンズ)は、日々担ぎ込まれるのです。
「トリアージ」(救命の優先順位)の票は取り付けては無いが、チョイト先にお願いと馬跳び宜しく飛び越があるのです。
そんなこんなで、ヤット治療を受けることが出来たのです。おまちどうさん。
入社したての頃は、各カメラ製造元の修理受付所への配達小僧でありました。
ペトリのカメラは、九段坂上の修理受付所へとなり、交通機関の関係から自転車でした。
あの、急な九段坂は自転車を降りて登ったものです。だって、変速機能なんかついていません。今で言うママチャリなんですね!帰りはラクチンな坂となりました。
残念ながら1977年(昭和52年)歴史の幕を閉じました。
日本橋店中古売場 田口由明
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