修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.05.01
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(手入れ前)
外観が酸素と結合して錆となり、その面相は哀れな状態であった。
もう一度、君は輝くべきと各部品を外す。名機故に蘇らせたいと闘志がわいてくる。
シャッターは切れない。巻き上げはガリガリで滑らかさが無い。ヘリコイドは、ヤットコサ回転する。
(手入れ後)
君も輝きたいのか!手入れに答えて光り輝いた状態となる。
歯車は、一つ一つ洗浄、谷の歯垢を清掃すると綺麗な菊花となりました。
(手入れ前)
問題は、赤丸部の対物レンズで、指先で触れると曇硝子状態であった。
(手入れ後)
フロントカバー・ヘリコイドも輝きが戻る。
「アサ~」の清々しさは、距離計組み品を分離し、対物レンズ・プリズムの清掃が不可欠です。
懸念された対物レンズは酸化セリウム(研磨剤)で薄皮を剥ぐように慎重に研磨をしていく。徐々に透明度を増し、遂に摩周湖の透明度が戻る。
久しぶりに光を透過させたファインダーは、世の中の変わり様を戸惑いながら漆黒の瞳で見ているのか?長く見つめるが良い。時代の変化を。
作業後、ドライバーとピンセットを置くに当たり、仄かな疲労感を感じる。
そして、呟く「君は光を取り戻した」と。。。。。
日本橋店中古売場 田口由明
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