修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.05.14
対物レンズの裏側には水草が生えている様相をしたカビが繁殖中であり、酸化によるクモリが出ているのは、水槽を掃除しないからだろうか?
変倍レンズ組み品には黒カビが繁殖中。レンズは、指輪の立て爪カシメで止めてあり、素窓から楊枝を加工し、脱脂綿を絡ませ清掃をする。黒い発生物は、病理学的に凶である。
裏蓋が無いバルナック型写真機は、フィルムのタングを長く加工しなければ故障原因となる。
内蓋には必要なタングの長さの絵が印刷されている。(キヤノンII S改)
その昔、絵だけでは綺麗に切れないとお嘆きの主用に切り型があったそうです。
補助具としてのテレホンカード挿入法もあるとか?
で、どうなるかと申しますとフィルムのパーホレーション部(両側にある連続小窓)がスプロケットの突起に咬合せず、破損して千切れてしまいます。
千切れたフィルム片が歯車に引っ掛かります。巻き上げが重いからと内蔵キャタピラ宜しく巻き上げてしまいますと機構部の破損を招き、万事休すとなってしまうのです。
何事も無理は禁物と言えましょう。無理な動作は慎むことにしましょう。
巻き上げ軸や中間歯車は簡単に分離できますので、歯間の清掃は楽ですね!
各所の歯間から取り出したフィルム片です。一部は内蔵キャタピラで粉砕されていました。
大事な民具は、主の心がけが大事と言うところです。
こんな、怖い怖い記事がありました。
「米北東部で、冬眠中のコウモリがカビだらけになって衰弱死する奇病が広がっている。
今年は、5州の洞窟(どうくつ)や坑道30か所で、計数万匹が死んだ。原因は不明。人間に感染する恐れも否定できず、米地質調査所は「死骸(しがい)を見つけたら触らず、報告を」と呼びかけている。
この奇病は昨年2月、ニューヨーク州で見つかり、鼻先がカビで真っ白になることから「白い鼻症候群」と名付けられた。今年、病気が発生した洞窟では、絶滅の危険があるインディアナコウモリを含め、何種類ものコウモリが軒並み犠牲になり、死亡率は80%以上 とほぼ全滅状態。死んだコウモリはやつれて体脂肪がなくなり、カビも1種類でないことなどから、同調査所は「カビは原因というより、衰弱の結果ではない か」とみている。米魚類野生生物局は「夏にはコウモリ1匹がひと晩で3000匹もの虫を食べる。雌は1年に1匹しか子を産まない」と、激減による生態系への影響を心配している。」
(読売新聞より引用)
写真機は無機質ですので衰弱死にはなりませんが、民具の使命を絶たれますので同じと言えましょう。呉々も、保存に注意あれ。
日本橋店中古売場 田口由明
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