修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.05.23
此度の患者は、絞り羽根開かずの所見です。まぁ~ペンEE系の持病とでも言いましょうか?
油分の固着及びカビが蔓延することで、カビが接着剤の替わりをするんです。
見立ては簡単、目視により絞り羽根が作動するかを見れば良いわけです。
上カバーと電流計を動かすセレン受光部を外せば患部の鏡筒が現れます。
前玉をヘリコイドから抜き、(1)から(3)のネジを外すと、鏡筒が分離します。
後玉を外すと、絞り羽根組み品を止めている3本ネジがあります。
絞り羽根組み品の裏側に絞り羽根が動くための隙間を作るスペサーが入っています。
その後、製造原価削減の為に絞り羽根取り付け板が打ち出しとなり、突起がその役目を担い、スペサー3個分が削減されました。この仕様の場合、ネジを強く締めますと元の平板に戻り絞り羽根が動かなくなってしまいます。
赤丸部に油分の湿潤が見られますね!Aベンジンで洗浄をします。
カビの発生が見受けられる場合は、絞り羽根を損傷させないよう洗剤で洗浄します。
絞り羽根が閉じてる様子です。
絞り羽根が開いた様子です。
チョット注視して貰いたいのですが、絞りの羽根が何かに似ていませんでしょうか?
小生は、靴を履いたチャプリンの足に見えるのです。
絞り羽根を連続開閉すると踊っているように見え、何時も可笑しくなります。
チャプリンでは、との御仁には今は無き日劇のラインダンスを想像して見てください。
それとも、イギリスロイヤルバレー団のプリマ・吉田都さんの華麗な足捌きでしょうか。
日本橋店中古売場 田口由明
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