修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.06.03
SUPER-Aが入院してきた。
過去にオートワイドを修理したことがある。設計者の気持ちになれず、苦労をした記憶が蘇る。
露出計の組み込み位置が内部か外部の違いであり、外部独立型なので気分的に楽となる。
レンズ交換出来る仕様になっており、標準のf2.8・f2・f1.8 広角が35mmf3.5と望遠85mmf2.8・100mmf3.5・135mmf4.5が用意されていた。六甲山の如し、どっしりした作りは「気張って作られましたんや」と聞こえてきそうです。
A系列にはダルマの愛称で親しまれたA・A2・A2Lがあります。
距離計光路は1と2であるが、シャッタースピードダイアルを組み込んだ都合で、視野枠の収まるところを見つけたのが巻き戻し軸受け部の僅かな空間である。
採光窓を採用し、2枚のミラーに分割して3と4の光路で視野枠に導き、凹面鏡に反射させ視野枠が見えるようだ。苦心の設計が見受けられる。
カビの食害を受けずにすみ、製造当時の輝きを保っている凹面鏡。
カビのお陰とでも言おうか?風呂上がりの眼鏡となったファインダーを清掃したが、視野枠に取り付けてある凸レンズの裏側に立派に繁殖をしている。
凸レンズを外すには、ミラーAを外せば良いのだが、いじりたく無い。調整が面倒になる。 そこで、巻き戻し軸受けを止めている3本のネジ(赤矢印)を外すことにする。
外した巻き戻し軸受けには2枚のミラーが取り付いている。之ならネジ止めの微調整で済みそうである。時には、楽な方法を選択するのは、日頃、お付き合いのあるお茶の水の先生、得意の思考が伝播したのであろうか?
視野枠押さえ板を外し、凸レンズ裏のカビの清掃が出来ました。
機械式写真機は、修理をしていて楽しんですが、昨今、急速に固体数を減らしています。
ミノルタスパーAもカメラレッドブックに絶滅危惧写真機として登録して頂きたい民具です。
レンズ | スパーロッコル50mmf2.8、3郡5枚 |
---|---|
ファインダー | 逆ガリレオ式 倍率:0.6倍 有効基線長:28.5mm ブライトフレーム:標準・広角兼用(広角は前視野)採集窓式 |
繰り出し形式 | 回転ヘリコイド式 |
最短撮影距離 | 1m |
シャッター | セイコーMX、ビハインドシャッター |
露出計 | (専用メーター着脱式) |
シンクロ接点 | M・X接点 |
巻上形式 | 一操作レバー式セルフコッキング自動巻き止め |
サイズ/重量 | 139WX81HX57Dmm/630g 製造年 1957年 |
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。