修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.06.17
公休の間に浜風に乗ってコーワSWの入院である。
スプールの力量が不足し、フィルムが巻き取れないとの症状を訴えている。
診断の見立てはフリクションバネが効いていなが、何処から開腹するか思案する。
底カバーを外したがフリクションバネの位置は上の方にあるようだ。上カバーを外し、巻き上げ軸を抜き去り、スプールを外すと患部のフリクションバネが現れた。
フリクションバネの力量を修正して元気にフィルムを巻き取れるようになった。
ファインダー経路が面白い。直角プリズムを3個組み合わせた仕様になっている。
入ってきた像が地下の直角プリズムに導かれ、接眼側に上がって見える。
直読ではいけないのだろうか?貼り付けられた直角プリズムが剥がれたら暗黒の世界となる。ニコンSPも同じ方法が使われている。
対物レンズは大きな物が使用されているが、上カバーの入射穴は小さい。
まるで、カメレオンの目のようである。
捕らえた被写体は逃さないとでも語っているかのようでもある。
ピンポールカメラの原理か?雨戸の節穴から洩れた朝の光か?であろうか?
カメレオンの瞳は小さいが、瞳の奥に大きな水晶体があり網膜に映し出される獲物は大きく見えているのかも知れない。
余り好みでは無い生物ではあるが、コーワSWと同じかと聞きたいものである。
日本橋店中古売場 田口由明
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