修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.06.20
危うく灯火が消えようとしていた民具が手元に飛び込んできたのです。
おやぁ~、感触が違うし、擬皮の文様が違う。
前側部と裏蓋の擬皮の色調が違うパンダ色である。オマケに製造元の焼き印があるではないか。之は、Penn-EEの初期型である。
滅多に出会える物では無い。何とか救い出せないか?であるが、状態は予断を許さない重篤である。
モルト(遮光スポンジ)が傷んでいるのは当たり前で、手際よく交換をする。
問題は機構部であり、汚れやカビの発生で生体反応は心許ない。
一点一点洗浄し、天眼鏡で拡大検査をするが、組み上げるとぎこちない動きあり、問題点を修正しながらの治療であった。
セレン受光部は多くの部品で構成されている。流石にセレンは、小生と同じで老年期に入り起電力の不足は否めない。セレンは肝腎要な部品であり、壮年期に近い物を移植する事にしました。
電流計も動きだし、動作音も健常者と変わらないほどに回復をしました。
そして、古き民具が田口棚に新顔として並ぶのです。
日本橋店中古売場 田口由明
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