修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.06.27
思いを込めて手に入れたI LOVE PEN 二台の修理依頼です。
距離環を止めているセットネジ3本を緩め、ヘリコイドを抜きます。
前レンズを外すと、歪になっている絞り羽根が見えました。
絞り羽根にあるダボが溝から外れたのか?破損したのかとどちらかです。
後玉を外し、F値環を押さえながら座金を外します。
羽根室・F値環・ヘリコイドに分離されます。
最悪でした。一枚の絞り羽根のダボが取れています。
何とか代替羽根を見つけなければなりません。幸運にも見つける事が出来ました。
絞り羽根を組み込んだ所です。枚数は4枚ですが、小さな物で組み込みにチョット苦労します。
赤丸部のダボが破損しています。
ヘリコイドにあるF値指標にF値を合わせ、座金を締め付けます。
両者は位置固定する仕様になっておりませんで、F値環を強く押しつけて座金をしめます。
ずれた場合は修正し、再度締め付けます。
今回の依頼は、突然の電話から始まり、「 土佐市 の00です。上京の際に日本橋店に寄りますので修理をお願いしたい」との事でした。
接点は、と申しますと今は休刊(実質廃刊)のカメラGET・修理の手引きでした。
来店され、記事のコピーとカメラを手渡され、話を聞きましたが「記事を読んでから今日迄待ちました」と話された時には鼻の奥が熱くなった次第です。
記事の執筆は2002年2月でした。
米谷氏の著書、朝日ソノラマ発行「オリンパス・ペン」の挑戦も手元に置き、PENを愛する方で「設計者の米谷氏にお会いしたい」とも話されました。
リペイントされたPENは、羽根油でした。PEN-Sの絞り羽根の破損も交換部品の手当が付き、依頼主に返すことが出来ます。
創業地からの依頼、数年前にグループ企業となりましたのも縁と言えましょう。
日本橋店中古売場 田口由明
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