修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.07.09
大きなセレン受光部を纏ったTARON EYEMAX。モンスターの様に見えます。
昨今は、モンスターの亜種が世間を騒がせているようです。
調べてみると日本光測機工業は、シャッター製造を生業としていましたが、カメラ製造に当たり、自社製を積まずシチズン製を積んでいます。
開腹しますと、スローガバナのアンクルが外れていました。 ありゃ~、万事休すかと思いきやアンクルの段ネジが緩んで仕舞ったようです。
段ネジを止めることで機能が回復しましたが、本復とは行かず、シャッター・絞り羽根に油分の湿潤が認められますので、更に開腹をすることにしました。
シャッターを止めている座金を外しますと、残るはシンクロのリード線だけです。
シチズン製のシャッターを修理するにピンの問題があります。
ピンは楔形をしているのですが、見極めが出来ずに逆から抜こうとして取り付け軸を破損させて、万事休すの様です。天眼鏡で方向を見極めましょう。
律儀な方は、マイクロメーターの計測も良いかも知れません。
このシャッターのピン抜き方向は赤矢印方向になります。金床を利用して軸を破損させないように抜きます。
Cリングを外し、1から4のネジを外しますと前後に分離します。
シャッター羽根を組む場合は、1の羽根に気を付けます、先端が反っています。
絞り羽根は、レンズのF値が暗いために開放値の修正がされています。
F値制限ネジを外して全開放で組みますと作業が楽になります。
全開放で組みまして、絞り羽根押さえ板を取り付けます。
あの有名人のお宝カメラVol.31で栗本慎一郎氏もタロンを愛用した経緯を話されております。
続きを読まれる方は http://doraku.asahi.com/kiwameru/camera/080414.html で閲覧下さい。
「日本の食文化を教える」で休暇を戴いている間に相談事として入院して来たTARONです。
同僚の話によりますと「思い入れで購入したが不具合が発生してしまった」と、盆の窪に手を置きなが「預かっちゃいました」と休診日の出来事です。
カメラは本復しましたが、昨日のエネルギシュな若さに当てられました精神的・肉体的疲労感は本復しません。一晩、寝たぐらいでは回復しない齢であります。
先ずは、東慶寺の役目を果たしまして、ホットしたところです。
日本橋店中古売場 田口由明
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