修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.08.19
修理に出したら旧製品に付き補修部品払底の為、修理が出来ませんと返されたと嘆くのです。
嘆かれましても専門外の製品である。最後の砦だと押し出され、本日は二連敗での預かりとなりました。唯一の救いは単焦点レンズであることだけだ。
マウントを外せば導通コイルが変形している。修復は難しい。
暑いが、布団を被って寝込むしかないのかね~
兎も角、気を取り直し、先に進んで分解をする。
ヤット、ここまで分解が出来た。この先の化粧環が外れない。
前玉も外れないのナイナイづくしである。ましてやネジ類は何処にも無いのである。
化粧環の下は金属の素材の様だ、とするとネジ止めか? ネジ止めにしては、糊しろが無い。ならば、接着しかあるまいとアルコールを注してみる。
うん~、手首が腱鞘炎になりそうだ。
水入りで、昼食にする。 仕切直しで再度、廻すと、あら~不思議、外れたのである。あの~苦労は何だ。
接着剤が緩んだだけである。
原因は、絞り作動環の突起(ダボ)のカシメの脱落である。
ダボは一度カシメており、カシメられる部分が潰れて短くなっている。
絞り作動環の穴径より太いドリルで擦り揉みをしてダボの糊しろを作る。
カシメ直したダボ。
後は、組み上げていけば絞りが作動するはずである。
兎に角、専門外の修理は気苦労の連続である。
願わくは、残り少ない職歴を穏やかに過ごさせて頂けると有り難いと思う。
赤いベストが似合う歳である。
日本橋店中古売場 田口由明
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