修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.08.20
低速秒時が早いとの事で入院をしてきました。
低速秒時の不具合の大方は、スローガバナに問題があります。
巻き上げ側の上カバーを外しますと、速度制御機構部がありますが、知識が無いと機構部をコチョコチョ弄るかたがおるようです。
過日、修理をされる方が機構部を弄くり廻し、駆け込んできました時には閉口しました。先ずは、弄くり廻すより原因を良く考える事です。
低速で動作させスローガバナの状態を確認すると、アンクルの動きが緩慢であった。
では、分離することにしましょう。
スローガバナは底部より2本のネジで固定されている。
スロー下レバーや切替軸を変形させないように分離する。
スローガバナを取り去った状態。
分離したスローガバナの動作状態を見極めることにする。
異物が引っかかっていないか?変形や破損が無いか?錆は出ていないか?
アンクルの動きが緩慢なのでアンクルを外しました。
どうも、錆(赤丸部)が発生したのが原因の様です。錆が酷いときは梃子でも動かないときがあります。
普段は使用しないクレCRC5―56を塗布し錆が浮き上がるまで待ちます。
一晩、寝かすこともありますが、乳酸菌と違い味は良くなりません。
無理をせずに動くかを確認しながら作業をします。無理をいたしますとアンクルのカシメが外れてしまいます。
外れましたらAベンジンで良く洗浄をしておきます。
アンクル軸(赤丸部)及びアンクル軸穴(赤矢印部)の錆を除去します。
間違っても鑢でゴシゴシはいけません。 薄皮を剥ぐ如しの作業が要求されます。
余分ですが、薄皮まんじゅうは旨い。店先で熱々を戴くのは尚旨い。冷めたらオーブンで焼きますと違った味が又、旨い。(食いしん坊なだけです)
液体ピカール・粘性ピカールで錆だけを除去します。
錆を除去しますと、素材の金属色が蘇りました。
アンクルの動きが悪くなるのは、膝関節の動きが悪くなる変形膝関節症に似ております。
加齢による不具合の様です。 組み込みの際は、軟骨の替わりに油分を塗布します。
人も直立の姿勢で両足の膝小僧の間に握り拳が入るようですと変形膝関節症の確率が高くなるようです。
日本橋店中古売場 田口由明
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