修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.09.01
※この記事は2008年9月1日に書かれたものです。
幕張メッセで開かれましたジャパンDIYハームセンターショウのイベント、三条鍛冶道場の包丁作りにお客様や友人・蕎麦友と参加を致しました。
渡された材料の形が去年と違います。出刃かなと思いきや三徳包丁との説明♪嬉しいな~です♪
先ずは、スプリングハンマーで鋼をしめる「ならし打ち」です。
職人の方の手助けを受けながら、目は真剣です。
左手に磁石を持ちます。焼き入れ温度は色の変化で見極めるそうですが、素人には難しく磁石を利用し温度を探るのです。初めは磁石に吸い付きました素材も温度が上がり、磁石に吸い付かなくなりました所が焼き入れの適温になるようです。
職人の方が合図を致しまして、一気に水の中へジューボーと入れます。
水砥石で刃立てをしていきます。なかなか平均に研ぐのは難しく波を打ってしまいます。
更に別の水砥石で仕上げを致します。最後は、職人さんの助けを借ります。
2種類の砥石で仕上げ、銘を切り、柄を取り付けまして完成です。
(作業中途でありましたものを完成品にしてもらい蕎麦友が病院まで届けてくれました)
参加者が元気に集合し9時30分の会場と共に三条鍛冶道場に向かいました。
之は、ブログにも時々記述しましたお茶の水の先生から受け取りました最後のメールとなってしまった画像です。受信時間は午前9時44分。
皆が刃物作りに参加を致しておりました時。10時20分頃でしょうか?
主催者の係りの方が私を呼びに来たのです。何事かと聞きますと「友人が倒れ、呼んでいます」との事。救急車を呼び同乗して千葉県救急医療センターに向かいます。
予断を許さない症状が傍目にも判ります。
待たされている間に家族に連絡を取ったり、DIY事務局・参加者との連絡をします。
長い時間を待たされ、看護師から厳しい状況と一時説明されました。
そして、医師からの説明は、心臓左冠動脈主幹部閉塞の事実です。
家族に付き添われ無言の帰宅となってしまいました。
お客様であり友人でありましたお茶の水の先生は、修理技術者の良き理解者であり、職業の弁理士として良き助言者でもありました。
お互い団塊の世代で「隠居して海外旅行に行きましょう」の約束は果たせませんでした。
カメラが好きで、ストレス解消に分解するのが好きな方でもあり、池袋の修理教室を受講しておりました。あまりにも若い黄泉の旅立ちです。
先に行って、待っていて下さい。黄泉の世界で修理教室が開ける準備をお願い致します。
そして、小生のブログを閲覧頂き一人修理をして待っていて下さい。
長きに亘り愚人をご指導頂き有り難う御座いました。
心よりご冥福をお祈り致します。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。