修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.09.02
このモデルは1948年製のミニヨンを設計変更し1953年に発売されました。
交換レンズはトプコール8cm f5.6が用意されていた。
固定環を外し、秒時指標板・秒時環を外していきます。
シャッター制御部が露出し、不具合の原因が判明したのです。
赤丸部の赤矢印のピンが外れています。
之ではスローガバナが働きませんね!
正しい位置に組み込みますと歯車音が致しますが、心許ない響きです。
フロント飾りの4本音時を外し、尚も分解をしていきます。
シャッターを固定している座金を外し、シンクロソケットを外します。
レンズシャッターの持病である油分の湿潤と汚れを洗浄します。
スローガバナ・セルフタイマーもAベンジンで洗浄し、注油します。
後は組み上げれば完成です。
以前「56歳役職定年の入院」を修理して差し上げたお客様より「シャッタースピードが変化しないのだけど直したい」との相談でした。
人それぞれ、カメラに家族の思い出と履歴があるのです。
修理ばかりをしていると、昨今の天候不順の要に雷が落ちそうですが、自分にあるのは修理の技術を用立てるしかないのです。
動き出した歯車の残音は、父の思い出であり祖父への懐かしさと思います。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。