修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.09.05
化粧箱と機番が同じなのが嬉しいですね!
本革のケースは使用感の薄い美品です。
使用説明書は欠品ですが、懐かしい大和商会が販売店名を印刷したダイワ露出表です(右側)。
小生、ほのぼのといたすレトロな写真の冊子です。
古では撮影や現像できることは技術でした。
大先輩の話として、軍隊に徴用されましたが現像焼付けの知識を持っていたお陰で将校に可愛がられ、苦しい新兵時代の鉄拳制裁を潜り抜けられました聞きました。
大事に保管していたのでしょう!擬皮の傷みもありません。
しかし、ZUIKOの持病のクモリがありました。中秋の名月と言ったところでしょうか?
軽く研磨剤、酸化セリウムで研磨をしました。
コーヒーの違いの分かる瞬間です。
上下は接着を緩め、調整穴にドライバーを差し込み前後に回転させて調整をします。
左右調整は、枚数計板の下に位置するネジの出し入れで行います。
上カバーを外さず、上カバーにある、調整用の飾りネジを外せば外部から左右調整が可能です。
ご多分に洩れず、レンズシャッターの持病である、油分の潤出があり分解をします。
分解過程は、何度か記事にしており、今回は端折ります。
尚もバラバラ事件です。良い仕事を致しましょう。
人生、端折りを信条としている方も居られるかと思います。
シャッターを取り付けたまま、機構部が見えるところまで分解し、開閉レバーを強制的に動かし、シャッター羽根が俊敏に開閉するかを見極めます。
ピンセットから指先に伝わる粘りを感じる場合は、良い仕事を致しましょう。
歴史的建造物の修復の際は、棟梁の名を刻んだ墨書きが残っているように署名するのも良いかも知れません。後生に名を残しますぞ!
其れにしても、良い状態の民具の入院でした。
日本橋店中古売場 田口由明
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