修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.10.03
事前に電話問い合わせがあり、恐縮しながらの外部入院です。
遮光のモルトは無惨に加水分解してボロボロ。
「修理とは掃除と見つけたり」で加水分解したモルトをセッセセッセと掃除をします。
手は黒くなるし、ベト着く粘度は、時間と根気のいる作業です。
綺麗に落とせました。
ノギスで痕跡を採寸して一体型に切り出します。
面倒だからとハワイアンパッチワークではいけないのです!
機能すれば良いとの考えでなく、仕上がりの美しさにも拘りましょう。
距離計の上下調整は、摺動レンズの位置をずらして調整します。
初めての機種で、調整箇所を探すのに迷いました。
外部に目隠し(赤丸部)があり、外して調整をします。
そうだよね!幾ら調整しても外装を取り付けると狂いが生じる事があるものね!
定石の仕様になっている。
左右調整は、裏蓋を開け、レール面のネジを外すと調整できる。
そもそも、外部入院になりました経緯は、修理部存在時に丁寧な仕事で感激し、修理依頼のメールを送信したところ住所不明で戻りました。
何度、送信しても結果は同じ。日本橋店へ問い合わせたところ修理技術者が居ますよとの事で持ち込みとなりました。
その他の依頼箇所として、レンズ及びファインダーの清掃を頼まれました。
部署が閉鎖されましてから一年余、大事な愛機を蘇らせたいと追跡された一念に鼻の奥が熱くなります。
夢を見れば、H&Mの様に行列が出来ることを願うばかりです。
日本橋店中古売場 田口由明
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