修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.10.06
久しく出会いがありませんでしたコニカIIIMの入院です。
受光部のセレンは起電の役割を終えたようで、機能的にはIII型と同じになってしまった。
裏側の座金を外せば本体と分離しますが、露出計が組み込まれている機種ですのでシャッター速度と絞りの電気情報を受け取る端子A&Bがあります。
シャッターはご多分に洩れず、持病の油分の湿潤で作動しません。
精工舎製のシャッターは何度か記事にしておりますので途中経過は割愛します。
シャッターを前後に分離するのに邪魔な部品を外します。
速度制御部も分解しまして、Aベンジンで洗浄後、注油して組み立てます。
絞り羽根も毛細管現象により油分が重なり合った絞り羽根に侵入し、ピンセットで持ち上げましてもバラケません。Aベンジンで一枚一枚洗浄します。
全てを組み上げ、動作させますとシャッター羽根の閉じるときの動きが可笑しいのです。
組み立て間違いか?そうではありませんでした。
開閉レバーにあるMバネを外してみますと、カシメが緩んでMバネの力量が正しく作用していないのです。通称、羽根油の症状がありまして、動かないからとシャッターを切りまくり過重な負担に耐えかねての事と想像します。
開閉レバー軸穴を潰さないようカシメポンチで再カシメをして組み込みますとサクサク仕事を始めました、
昔のテレビは具合が悪いとき叩くと直ったようですが、カメラはテレビの様な訳には行かないようですね!
完成後は、ウインドーでの休息もそこそこに嫁ぎまして、第二の人生を歩み始めました。
日本橋店中古売場 田口由明
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