修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.10.16
綺麗な状態のフジカST701が遙々入院をしてきました。
黒塗装の好きな民族故、塗装の綺麗な民具は商品にしたいとの希望である。
「シャッターが切れないから何とか頼む」と言われても「経験が無いよ」と一言。
「任せたよ!!」と民具は置いていかれてしまった。
何とか原因を掴みシャッターは動き出す。しかし。ファインダー内のゴミには閉口する。
せめて、綺麗にして返したいと上カバーを外す。
露出計が組み込まれているから基板とリード線がある。
同僚が見て「やだね!配線だらけで」と言うが、この量で驚いていてはAF機など修理が出来ない。
引っ張りバネの掛かりを外せばペンタプリズムが分離できる。
プリズムをはずし、ゴミを清掃。組み込んでシャッターを切れば元の木阿弥である。
何度、清掃してもゴミが「こんにちは」と顔を出す。
「お前ら何処から来るのか?」と、問いかけても答えは返ってこない。
古いからしょうがないかと思いきや、横から覗くと加水分解したモルトの垣根が見える。
ゴミ侵入防止の仕様であったであろうが、今やゴミの発生源となっている。
プリズム室を外すには、基板を外さなければならない。
どの位置で外せば良いのかの情報は持ち合わせない。
シャッタークリック盤を1/1000にして止めネジを外すことにする。
ISO接片の組み込みは、シャッタークリック盤の溝に位置していれば良いのだろうと思う。
外した後、その下にある部品は動かさないように気を付ける。
そっと外し、そっと組み戻すのである。
1から4のネジを外すと、プリズム室が分離した。
プリズム室の裏側はモルトの垣根で囲まれている。
加水分解したモルトが些細な動作衝撃で剥がれ落ちてきたのです。
原因を取り除けば、綺麗なファインダーとなりました。
こんな時、故お茶の水の先生は「掃除機を使いましょう」と提案し、小生を嘆かせます。
ありゃ~、何か部品を吸い込んだようだよ!
それなら、ゴミ袋を掃除しましょう。。。。トホホである。
日本橋店中古売場 田口由明
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