修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.10.31
危うく廃棄処理されそうになったRICOH AD-1を強制入院させた。
この所、黒カメラが続くので何かの縁でもあるのだろう。
コンパクトカメラは、モルト(遮光スポンジ)が加水分解し、清掃するも手が汚れ、他を汚染しますので何度も手洗いに席を立つ。
裏蓋の曲線部まで張られたモルトの採寸にはハンダ線を利用します。
曲線に沿ってハンダ線を張り、伸ばせば長さが測れる。しなやかなハンダ線は、便利でもある。
採寸し、切り出したモルトを張り替えました。
ファインダーにクモリが生じており、清掃することにしたが外れない。
擬皮を剥がせば、隠れん坊のネジがいたよ!
上カバーを外したが、日付写し込み部が邪魔をしてファインダー清掃が出来ない。
日付写し込みは賞味期限が切れて仕舞いましたが、お腹は壊さないようです。
日付写し込み部を外そうとすると基板(赤点線部)にデートランプとデートSWがハンダ付けされていた。
ファインダーの対物レンズに接しているので注意しなければならない。
対物レンズに鏝焼けでも付けたしにはシャレにならない。
辿り着いたぞ!!覆い板を外せばクモリの清掃が出来る。
ビームスプリッター(ハーフミラー)にクモリがあった。
清掃に当たり、ビームスプリッターは長い時間が経過して居るのと、保存状態によっては蒸着面の剥離を招く。
ビームスプリッターの両面を清掃すると透明感が蘇る。
覗けば気持ちがよい。
上カバーを被せる時は、SWや釦が落ちないようマスキングテープで膏薬張りをする。
こうしておけば、苛々せずにすみます。
日本橋店中古売場 田口由明
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