修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.11.07
入院してくるのは良いが、OMズイコーは、至る所、接着剤が使用されており、力任せに外そうとすると、手首は腱鞘炎、奥歯は磨り減り、石臼状態になる。蕎麦でも挽きましょうか? 外す前にアルコールで緩めてからが、体には良いようだ。
社名環を外し、前環を分離する。
前環を外すと、絞り値クリックの硬球が出てくる。「鞠と殿様」にならないよう気を付けよう。歌のように弾んでみかんになっちゃうかも?
アルコールで接着剤を緩め、押さえ環を外す。 外した押さえ環もカビが発生しているので洗剤で洗浄後、アルコールで消毒をする。
尚、レンズが収まっている筒等も同様の処置をする。
処置をすることにより、カビの再発生を押さえる。
麻生宗太郎の娘、花世は、永代の元締め文吾兵衛の髭顔から「もじゃもじゃ」と呼ぶ(御宿かわせみより)。G1レンズの周りは、髭のようにもじゃもじゃカビがある。
ガラスマイペットでカビを拭き取った後、アルコールで清掃する。
綺麗になったG1レンズ。
レンズマウントの分離は、1から3ネジを外す。
絞り作動盤・解除釦・PV釦(絞り込み釦)を外す。
組み込む際のPV釦の裏表に注意することである。
絞り作動盤・絞り値連動盤は、鏡筒内の所定の位置に咬合する。
後玉を外す場合も、アルコールでの前処置をしておく。
後玉群は、筒の中に投げ込み仕様になっている。
投げ込み仕様は、加工精度の裏付けがあればこそ出来る仕様でもある。
修理部時代は手がけなかった機種ではあるが、そんなことを呟いても生姜がない。
店頭に配属されてからは、何でもありの世界である。
日本橋店中古売場 田口由明
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