修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.11.14
座金を外します。
マウントと鏡筒に分離しますが、両者の間に固有の調整環があります。
組み込み忘れや紛失があるとピントが合いません。
前環を外し、前玉を外します。後玉も外します。
絞りクリックを外し、押さえ環の固定ネジを外しますと、押さえ環を外すことが出来ます。
そうしますと、絞り環を外すことが出来るんです。
油分の湿潤を受けました絞り羽根を動かそうとすると、油分の湿潤の為に水平移動が妨げられます。そうしますと、絞り羽根に掛かります力が逃げられず、撓(しなる)るように盛り上がるのです。まるでイナバウアーの様です。
この様な状態で使用を繰り返しますと絞り羽根が疲労破壊して亀裂が生じてしまいます。そうしますと万事休すですネ!
絞り作動軸を外します。
絞り作動環を止めているCリングを外します。
絞り作動環の径に合わせたかいものをしてひっくり返します。
ゴムアダプターは便利ですね。
鏡筒の後玉の方から平均に突きながら鏡筒を抜きます。
絞り羽根をAベンジンで洗浄し、絞り作動環上に並べます。
並べましたら鏡筒を被せ、ひっくり返してかいものを外します。
絞り羽根を柳箸で捌きながら、鏡筒を左右に振れば絞り羽根のダボがダボ穴に収まる訳です。
兎も角、絞り羽根に油分の湿潤が見られる場合は、早めに製造元に修理依頼を致しましょう。
今年に入りまして急速に機械式民具が見られなくなりました。
寂しいものです。一台でも多く文化的財産である民具を救出したいと思います。
日本橋店中古売場 田口由明
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