修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.12.03
専門外でもあり、巻上レバーの飾りネジを外すに右か左か?迷う機種でもある。
IC-1は、正ネジ(反時計方向)であった。
軍艦部を開ければ二箇所の基板、電池室は、それぞれ一本のネジで固定してあります。
リード線一本を外し、之からの作業に邪魔にならないよう捌きます。
ペンタプリズムを押さえているのがポリウレタン製の固定バンドです。
固定バンドが経年変化で性が抜けていれば外す際に切れてしまいます。
慎重に尚且つ無理をせず作業を進めます。何とか成功しました。
焦点板の上には、加水分解したモルトの破片が落ちています。
落ちているモルト片の性格は様々で、ニュートンの林檎の如く落下したもの、シャッターを切った際にミラーで煽られて飛び込んだりです。
露出計内蔵はヤダネ~、連動の為のワイヤーがあるよ!
プリズム枠を取り去ると焦点板枠が現れました。
加水分解したモルトを交換するに外さなくてはなりません。
1から4のネジを外し、赤矢印方向に持ち上げながら外すことが出来ました。
焦点板枠の下に見えるネジ3本は、合致調整(無限位置)のネジです。
プリズム枠を載せると隠れてしまいますが、製造時はネジ位置に合わせ穴の開いた冶具があったものと推測いたします。
プリズム枠・焦点板枠を分離したところです。
焦点板枠の下には、焦点板枠を囲むようにモルトが使用してあります。
痛んだモルトを削ぎ落とし新しいモルトに置き換えます。
そもそも、入院してきた時の修理指示書にはレンズカビの記載しかありません。
簡単だね!レンズの清掃だけかと思いきや、本体を見ればモルト交換の必要があります。
手は汚れるしで、チョット脹れた作業でした。
日本橋店中古売場 田口由明
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