修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.12.09
単焦点レンズは貴重だからカビ清掃を頼むと入院してきました。
うん~、専門外であるね!
G1(一番前のレンズ)の端にカビが発生している。
この時代のレンズはモールド成形で分解することが出来ないとの微かな情報を持ち合わせていた。他社でも成形型が見られ修理泣かせである。
前群レンズに開閉の為の穴が2カ所。
コンパスで赤矢印方向に廻すも少し動いただけで、頑として動かない。
ねじ切りはなされていまいようだ。
両手の中指と一差し指で斜面を押さえ、引き上げたのです。
モールドで覆われた前群レンズが外れました。緩み防止に接着剤も使用されていました。
それでは、どのような仕様かと言えば前玉群を固定しているモールドに羽根があり、鏡筒部の溝(赤点線)で固定する仕様になっているんですね。
放射能廃棄物の如しレンズを密封した仕様ではカビの清掃は無理のようである。
カビの広がりも大したことでは無いので、未だ使用できるかと吐息です。
内側を覗けば駆動モーター?やSW類が垣間見られる。
カビの清掃は出来ないが、マウント側はどの様な仕様なのか分解することにします。
3本のネジを外すが、1本は外さない。
マウントには本体側と通信するAF端子が取り付けられており、ソロリソロリと起こし、化粧カバーのフックを逃がし外しました。
マウントを元に戻し、AF端子を止めている赤丸部のネジを外す。
AF端子のモールドには突起がありマウントの穴に咬合(赤矢印部)している。
これ以上は手を出さない方が良さそうです。
まるで宇宙都市の様相ですね!
それともスターウォーズに出てくるミレニアム・ファルコンでしょうか?
このまま宇宙に飛び出せば、宇宙線によりカビが破壊され綺麗になって戻りましょうか?
そんなことは無いと思いますが、使用後の手入れを怠ったり、保管に注意を払わなかったりしてカビを生やしてしますと、補修部品が無き場合修理不能返却、可能であってもレンズブロック交換となり、小遣いが無くなる怖いお話でした。
日本橋店中古売場 田口由明
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