修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.12.11
オリンパスペンFの不具合にシャッター切れずの疾病があります。
画像で確認できると思いますが、絞り込まれたままシャッターが切れません。
レンズを外し、シャッターミラーの背中を押せば切れますね!
良く耳にしますレンズを外せば作動するのですが?となります。
原因は、本体とレンズ側とに起因するのですが、今回はレンズ側の原因を取り去ることにします。
前枠やマウント・レンズの分解に難しさがありませんで、容量の都合から割愛することにします。1から3のネジを外しますとヘリコイド部と鏡筒部に分離されます。
化粧環を外します。
化粧環を外しますと、絞り値環・絞りカム環を外すことが出来ます。
1から3のネジを外しますと、鏡筒から絞り羽根部が分離できます。
分離しました絞り羽根部に油分の湿潤が見られませんね!
巷で呼ばれる羽根油ではないようです。
ヤット原因部分に到達です。原因は、と申しますと絞り台座と絞り羽根作動環の滑走部が汚れ粘り、抵抗勢力化しているんです。
5本のネジを外します。押さえ盤を無くさないよう気を付けます。
紛失しやすいコロがありますので注意が必要です。絞り羽根作動レバーを外しますと、絞り作動環が外れます。
コロは絞り作動環のピン(緑矢印)に入ります。
絞りカムレバーは、先に外しました絞りカム環の側面を移動し、絞りの値が変化します。
両者の滑走面を洗浄し、二硫化モリブデン粉を塗布して抵抗勢力を排除します。
絞り作動環は繊細な戻しバネにより、常に開放方向に作用しております。
分解する前にプレビュー釦で動作確認が可能です。
組み立てて本体に取り付ければ、快調な両者の動きです。
焦点板とプリズムの間にカビがあり、分解した所です。
先に記述しましたもう一方の原因は、ミラー駆動部にありますが組み込み要領を文書化する能力が欠落しております。
無闇に前板を分解しますと、ミラー駆動用のコイルバネの断裂に繋がります。
又、ミラー駆動部を分離し、取り付けた場合にシャッターミラー軸の位置がズレまして無限合致のズレに繋がります。
日本橋店中古売場 田口由明
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