修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.12.15
※この記事は2008年12月15日に書かれたものです。
十割りの更科粉500gに柚を2個すり下ろした柚切りです。
柚は皮の部分をすりまして、勿体ないからと綿の部分まですり下ろしますと苦みが風味を損ないます。
因幡の白ウサギとなりました残骸は、今夜の柚湯になります。
普段は蕎麦粉が熱を持ちますので禁じ手となります拝み揉みで、柚と更科粉を馴染ませます。
講師が打ちます水捏ねは門外不出のようです。
門外不出の更級蕎麦は、お店で味わうしかありません。
それでも受講生が打ちます更級は十割りですから、そこいらの蕎麦職人よりは凄いことをしようとしているんですよ!
通常は小麦粉を繋ぎとして2.3割り入れ、小麦粉のグルテンに仕事をさせます。
更科粉を繋げるには、デンプン質に如何に仕事をさせるかに掛かります。
そこで、チンチンに沸かせました熱湯を注ぎデンプン質を糊化させるのです。
まあ~、更科粉の葛湯みたいなものです。デンプン質が糊化しますと透明になります。
手では熱いのですよね!箸で素早くかき混ぜます。
温度が下がったとは言え熱い中、素早く糊化した部分に更科粉を揉み込んでいきます。
雪達磨を作るのに似ています。全てに熱湯を使用しますと食味が損なわれます故、水で水分量を調整します。
之により、更科粉特有のプリプリ感が楽しめるのです。
小生の伸しです。出来るだけ薄く伸ばしますが、力加減を間違えますと悲劇になります。
麺棒の重さだけで慎重に伸しました。
蕎麦切りも上手くいきました。持ち帰りの器に入れる際も繊細な更級蕎麦には気を遣います。
帰宅して試し茹でをしました。
茹で時間は2.3秒でしょうか、繋がっており、プリプリ感があります。
更科蕎麦は職人技の極みですが、季節感を味わいます柚切りでした。
日本橋店中古売場 田口由明
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