修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.12.17
休み明けには時としてとんでもない入院患者が待っている。出来る、出来ないは問題では無いと心優しい同僚です。勿論手がけたことは無い。
巻き上げ飾りネジは、時計方向の逆ネジであった。
他の部品の分離に仕掛けは無い。
焦点板にモルトの破片がこびり付いて目障りだ。
プリズム・焦点板と外していく。
ミラーカーテンを剥がせば加水分解したモルトが現れる。
ミラーが跳ね上がる度に剥離したモルトが焦点板下部に取り付く。
取り付いてもミラーの跳ね上がり衝撃で落ちるのもある故、新旧交代の争いが起きていると想像する。
プリズム押さえの緩衝剤にモルトの使用が見られるが、防湿塗料の違いか?僅かな変質に止まり、蒸着部分までの腐食が見られない。
求められた良き仕事をしている防湿塗料は優れものである。見習って欲しいと思う。
擬皮の捲れもあり、恐る恐るレリーズカバーを外してみた。
すると4本のネジがマウント部を固定しているように見える。
怖い物見たさにネジを外すと素直に分離が出来る。
尾ひれが着いてきたのはシンクロターミナルのリード線一本でした。
ペトリV6の枚数計の動きに特徴がある。通常は巻き上げると枚数計が進む仕様が多い中、シャッターを切ると枚数計が進む。
その仕様は、ミラー軸が枚数計作動レバーを飛び越し、返るときに駄賃として枚数計作動レバーを蹴飛ばすのである。
蹴飛ばされた枚数計作動レバーは枚数計送りレバーを叩き、進む仕掛けになっていた。
マウント部を外したことにより、シャッター幕軸に油分の補給が出来、サクサクと動き出しました。
怖い物見たさの心理を突かれました同僚に感謝の修理作業でした。
日本橋店中古売場 田口由明
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