修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.01.23
1964年発売「Konica EYE」を目標に小型化。「C」は「Compact」の「C」でコンパクトカメラの名を冠するにふさわしいカメラ。1984年発売「Konica C35 EFP2」まで長い期間、「C35」は引き継がれる。愛称「ジャーニーコニカ」の初代機。(コニカの歴史より)
手入れ後の撮影は、遊び心でコロンビアコーヒの麻袋を敷き、スペーシアのチョロQを配してみました。
モルトは加水分解により痛んでいますから交換します。
ファインダーに複数の対物レンズを配した場合は無理に外さない。
特にエポキシ系の接着剤を使用していますと、剥離に危険を伴います。
とは言いますが、汚れが目立ちますよね!
清掃には脱脂綿を利用します。麺棒の使用は、隙間が無さ過ぎます。
薄く削いだ竹に巻き付けまして、最初に洗剤で水性の汚れを拭います。
次に溶剤で油性の汚れを拭います。
注意点として、脱脂綿は吸水性が宜しいので浸しすぎに注意します。
いけませんね!リード線が腐食していたのでしょう!無理矢理ハンダを盛り付けたようです。これでもかと、盛りつけますから皮膜迄も溶けています。
一端腐食したリード線は、他に腐食を拡散しますので交換をします。
距離計を外しますと、腐食リード線の先は調整抵抗に接続されています。
ありゃりゃ~、電池室にあります両電極を止めている溶着が破損しています。
水銀電池を入れたまま長い間放置しますと、両電極の溶着部に圧が掛かったままになります。圧が掛かりましても必死に溶着部は堪えていたのですが、遂に疲労して破損したのです。電池の入れっぱなしは避けねばなりません。
この様な仕様は、安価なために高級機にも見られます。
では、修理を致しましょう。
マイナス接片から1.2mmドリルでモールド部を掘削しまして、1.7mmのタップをたてます。次にプラス接片に同じ作業をして、ネジ止めをします。
右下のレイヤー画像が改造後の姿です。電池室が蘇りました。
そして、両接片の素材がステンレスで腐食に強いのが慰めです。銅系でしたら万事休すですね!多少の伝導率の違いなら有り難い仕様です。
作業が終わりかけた頃に黒仕様があるよ!と、入院してきました。
うん~、折角ですから兄弟の再会を手助けすることにしました。
このC35は、軽量化に伴い外観カバーがアルミなので、コッンコの陥没痕で状態が宜しくないのが大多数です。希な程、両機共外観が綺麗な状態です。
小生、壮年であった頃は良く直したものです。
人間の証明「母さん。あの麦わら帽子は、何処に行ったんでしょう」的な感慨があり、若返った気がします。之からも、多くの失われた麦わら帽子に出会えると良いんですが。。。。
日本橋店中古売場 田口由明
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