修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.02.17
シャッターが開き放しで写真にならん。何とかならないか?である。
製造国は何処や~と調べましたが、分からん。ガレージメーカーか?
上カバーは4本のネジを外すと簡単に外れたが、シャッター部はどうして外すか分からない。
止めているネジ類が無いのです。
エヤ~と保持バネを外してみる。半分口が開きました。其れではと、下部にも保持バネがあるのではと捜せば目隠しが2ヶある。
目隠しの下に保持バネが見え、外すと分離が出来ました。
分離したシャッター駆動部である。ありゃりゃ~、アンクル部が錆び付いている。
緑色の錆からして銅の合金であろう?青銅か?シャッター開き放しの原因である。兎に角、酷い状態でもある。此処から苦闘が始まる。
カシメ故、無理は出来ない。時間を掛け薬品で錆を少しずつ溶かす。
少し溶けたら、アンクル歯車を傷つけないよう磨き、薬品で処理をする。
外観の錆は大夫綺麗になったがカシメ軸とアンクルの筒内の錆が取れない。
おぅ~少し動いたぞ~。まだまである。だんだん動き量が大きくなる。
横の動きから、僅かながら縦の動きが出てきた。筒内の錆が少しずつ外に押し出されてきました。洗浄しては、新たに薬品を染み込まし作業を繰り返す。
軽やかに動き出しました。
組み込めば秒時が変化する。とんでもない素材を選んでくれたものと思う。
秒時はアンクル部に扇歯車が咬合する時間で決まる。
上の画像は1/200と記憶している。職場と家庭とに時差があり、記憶が定かでなくなった。歳である。
扇歯車の咬合量が多ければ開いている時間が長く、低速となる。
さてと、組み立てに移るが保持バネの捌きで一ひねり。
製造時は治具があったと思われるが、分からない。
試しにデンタルフロースで保持バネを引っ張り出す事にした。
強靱なデンタルフロースである。
この穴から保持バネを引っ張り出し固定するのである。
腹腔鏡手術のようなものである。やれやれ、強靱な糸のお陰で組み込む事が出来た。パズルを解くのは楽しいが、疲れるものでもある。
デンタルフロースが、カメラ修理に応用できるからと売り上げが伸びますかね!
伸びね~だろうね!カメラに歯垢は付きませんから。。。。。
日本橋店中古売場 田口由明
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