修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.03.03
列をなして入院してきました。忙しいのだから季節的に蟻の行列は早いですよ。
裏蓋のフィルム確認窓にありますモルトが加水分解をおこし弾力性が損なわれています。押しますと凹んだまま戻らないのです。
光線洩れになってしまいます。
窓を黒く塗りつぶせば問題は解決しますが、そんな訳に行きませんよね。
最良の解決策は、製造元より補修部品を取り寄せることですが、修理部閉鎖の状況では素人が要求しているようなものです。と、な訳でして難しいですが新しく作ることにしました。
ノギスで縦横採寸しまして、元になります大きさに切り出します。
此処に窓を開けますが、如何致しましょうか?なのです。
切り出したモルトに窓を開ける位置を決めなければなりませんよね!
最初のは裏側(左右逆転写をすること)だと言うことを失念しまして、失敗に終わりました。気を取り直し、ノギスで採寸し窓の位置を決め線引きをします
R状に切り出すのは至難の業で持ち合わせておりません。
そこで、ハトメポンチで穴開けをすれば綺麗なRが出来ます。
残った不要部分はどうしましょう?赤点線部に定規を当てて切ります。
一度に切ってはいけませんよ!厚みがあります故、切り口が斜めになります。
数回に分けて切りますと良いですね!
窓を開けることが出来ました。
おぅ~見事じゃ。お漏らしを防ぐことが出来ました。
弾力の無くなりましたモルトは脚気に冒されたようなものです。ビタミンB1を塗りましても治りませんでした。(ウソです)
脚気は、進行すると心不全となり、放置すれば脚気衝心とよばれ、ショック状態となって死亡する。そのほかむくみが全身にくるが、とくに下肢に多く、指で圧すとへこんだままで元にすぐ戻らない。(日本大百科事典より)
そんなこんなで、4台の脚気の治療をしてしまいました。
もし、愛機をお持ちならば脚気検査をしてみて下さい。症状がでているようならば製造元のサポートセンターへご相談下さい。
日本橋店中古売場 田口由明
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