修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.03.06
擬皮を剥がすと化粧カバーを止めている5本のネジあり、ネジを外せば化粧カバーを外すことが出来る。
裏側にある楽屋裏?を隠す嵌め込みの反射防止筒を抜き去り、後玉を外し、座金を外せば本体よりシャッターが分離する。シャッターと本体との間にピント調整用の調整盤があります。
シンクロの赤と黄色のリード線を外す。
プロンターシャッターの亜種であるシチズン製は、シャッター秒時をBにしますとセルフタイマーが使用できないようにロック金具でセットを出来なくしています。
セルフタイマーを使用した場合のB秒時は、機能しないからです。
コパル製のシャッターにも同じ機構がありますが、使用間違いにより良く変形し、修理で預かりました。
画像の左下のレイヤー画像がB秒時の位置です。B秒時以外ですとロック金具は役目をお休みしてセット出来ます。
4本のネジを外せば、身二つになりますが、2のネジは貫通ネジになっており、外す前に表側を確認しますとバネが掛っているのが分かります。
レンズシャッターの持病で油分の湿潤が見られます。
プロンター系のシャッターで面倒なのはセルフタイマーと羽根開閉環の関係です。
セルフタイマーを動作させる羽根開閉環がセルフタイマーの解除レバーを押しこみ、働かす役目をしていますが、一度変形が起きますと調整が面倒になります。
セットレバー軸に注油をしなければなりません。外すのも、組み立てるのも面倒ですが分解することにします。Bレバーを外します。
係止レバーを外します。係止レバーは、セットレバーを保持する働きをします。
係止レバーの下側にコロがあり、メインスプリングの一端が掛っています。
スローガバナを外し、シンクロレバーを外します。
セットレバー軸とセットレバーの咬合部を清掃し、オイルを塗布します。
羽根開閉環も外しまして清掃後、二硫化モリブデン粉を塗布します。
プロンター系のシャッターは面倒ですので、好んで手を入れたくはありませんね!
それでは、帰り道を急ぐことに致します。
日本橋店中古売場 田口由明
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