修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.04.07
絞り羽根粘りが見られ、分解洗浄する。絞り作動動作が重くなりますとカメラ側のミラー駆動部の力量が足らなくなりシャッターが切れなくなるのです。
ブログ記事「途中で止まる原因(オリンパスペンF編)」も参考にして下さい。
https://www.kitamura.jp/photo/repairer/2009/re277.html
https://www.kitamura.jp/photo/repairer/2009/re309.html
本体と前板部とに分離します。
前板にはミラー駆動部やファインダー経路が組み込まれています。ミラー駆動部を無暗にはずしますと大変なことになります。肝心要部にグリスや油分の補充をいたします。
ファインダー部に使用してありますモルト(遮光スポンジ)も交換します。
ブレーキゴムを外しますと、ブレーキ保持環の内側に錆が出ています。
錆び出ると言うことはグリスが無くなっているのです。ブレーキゴムも保護されませんから大変なことになっていたのです。又、錆が形成された分ブレーキ保持環の外径が太くなり、それに伴いブレーキゴムも影響を受けてしまいます。
薬品で錆びを落としをしますと、輝きを取り戻しました。
ブレーキゴム保護のグリスを塗布して戻します。
ブレーキ部を組み込んだところです。真鍮の押さえナットに2対の打痕があります。これは、押さえナットが緩まないようポンチで打ちました痕跡です。
となると、痕跡が2対ですから、一度修理をしたものと推測します。
此度の外部生の入院となりました経緯は、2007年7月より書き始めました店舗ブログをコラムとして保存してあるのが検索にヒットしたからでした。
今迄は気儘に表題を決めておりましたが、検索項目として重要な意味を持つことを知った次第です。
そのコラムを印刷されて、父親から譲られたオリンパスペンFの修理をお願いしますと言われた時はビックリいたしました。
(何しろコラムを印刷されて依頼されるのは初めてですから。)
雑誌「カメラ日和」の見開きにもペンFが紹介されています。
時を経て尚、若者に受け入れられるデザインには米谷氏に敬服致します。
父親から息子へ引き継がれる手助けが出来ました事は、民具再生技能者として喜びを隠せませんでした。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。