修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.04.30
Mバネの掛を外し、開閉レバーを外す。スローガバナ・セルフタイマーを外す。
1から3のネジを外し、レンズ取り付け台を分離する。1のネジは、Mバネ掛け用の金具を止めている。
Bレバーを外す。レンズ取り付け台の開閉環が滑走する面を清掃する。
清掃後、二硫化モリブデン粉を塗布する。
赤丸部のブレーキバネを逃がしながら開閉環を外す。
開閉環及び滑走面を清掃し、開閉環にも二硫化モリブデン粉を塗布する。
スローガバナのアンクル部が2匹目のチリチリ虫の住処です。
アンクルと金平糖の様なガンギ歯車の側面に油分を塗布する。
セルフタイマーのアンクル部が3匹目のチリチリ虫の住処です。
同じように油分を塗布します。
シャッター羽根を組み込む前に開閉環が開く方向にしておく。(完全に開く方向にしない)
開閉環を一杯に開く方向に位置させると、シャッター羽根の1番が赤丸に掛かる場合があります。そうすると、シャッター後室にある突起(ネジ頭)で損傷する。
シャッター羽根を並べ、シャッター後室に収納する。
絞り羽根4番の先端は、1番羽根の下に入る。となれば、5番羽根は1番羽根の下に潜らせる事になります。
押さえ板の組み込み位置は、押さえ板に突起のある位置が、シャッター後室(赤丸部)に位置する。
レンズシャッターにチリチリ虫が住み着く原因は、アンクルとガンギ歯車にあります。
アンクルはコの字をしており、シーソーの様に振り子の動きをします。
そして、ゼンマイの戻る作用により、ガンギ歯車を一山一山、交互に係止、開放の動きをします。これを難しい言葉で脱進機構と呼びます。
アンクルが油切れになりますと、不整脈の様にチリ~(一休み)チリ~となり、最期は動かなくなってしまいます。
問題なくアンクルが働きますと、チリチリの連続音になるわけです。
この様な訳で、チリチリ虫が住み着き始めましたら修理依頼する時期になります。
日本橋店中古売場 田口由明
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