修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.05.19
外見は炭団で汚れ、ファインダーは霧の中。国内では余り人気がありませんでしたから、同僚は知りませんでした。小生にとって懐かしく久し振りの対面となりました。 何処まで直せるか?ですが、救出入院と致しました。
露出計が働きません。電流計に電圧がかかっていないのです。
擬皮を剥がし、前板を分離すると裏側に電源SWが目視できます。
そのSW端子はエメラルド色の緑青に侵されています。
電池室からのリード線を交換。慎重に電源SWの緑青を落としますと通電しました。
けれども、シャッター秒時と絞り環を動かしますと、電流計の針がピクピクします。
ピクピクが直るかと、前レンズ・前環と外していきます。
シャッタースピード環の内側に抵抗体が取り付けられています。組み込みの際に位置がありますから罫書きを入れておきます。忘れても3回繰り返せばとなりますが。。。。。
此方の接触ブラシは抵抗体帯をなぞります。汚れを清掃しておきます。
此方の接触ブラシは導体帯をなぞります。同じように清掃をします。
シャッタースピード環の裏側に貼り付けられた導体帯と抵抗体帯です。
両者は伝導性(赤丸部)の接着剤で繋がっています。此処が断裂しますとアウトです。
導体帯の酸化を研磨剤で磨きます事により、接触効率を良くします。
抵抗体帯は軽く拭う程度にします。素材が炭素ですので炭素が無くなるまで清掃紙は黒くなります。そうしますと役目は果たせなくなります。
ファインダー・レンズのカビを清掃しましたが、距離計が連動しません。
可動部のグリスの固着でした。分解洗浄して元気の良いグリスと交換しました。
其れにしても大口径のレンズです。
駆逐艦に大和の主砲を乗せた感がしますね!
日本橋店中古売場 田口由明
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