修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.06.04
保存が悪かったのか?接着剤が日本の気候に適さなかったのか?裏蓋の擬皮が無惨の捲れてしまっています。見た目が悪いですよね。
洗い張りでもしましょうかね。擬皮を剥がし、ドライヤーの温風で軟らかくしましてから圧を掛けます。
洗い張りとは着物を解き、元の反物のように縫い、水洗いして糊付けします。
そして、両端に針が付きました竹籤でピンとさせて元の光沢と張りを取り戻すのです。
一昔前までは、洗い張りをする光景が家庭で見られました。
一つの日本文化が消えて仕舞ったのでしょう。
少しずつ修正をしまして熨斗烏賊になりました。
擬皮の裏側の接着剤を刮ぎ落とします。そのままで新たな接着剤を塗りますと綺麗に仕上がりません。
作業自体に難しさは無いのですが、結構手数が掛かるのですよ!
熱を掛けすぎれば縮んで仕舞いますし、不十分ですと反りが直らないのです。
湯を沸かして浸しますと軟らかくなります。つかさず平らな面におきまして加圧すれば同じ効果が得られます。汚れも落ちますから一石二鳥ですよね。 職場に鍋釜を持ち込んでとは行きませんでドライヤーのお世話になります。
修理にドライヤーは必需品なのですが、手当が無いのです。仕方なく自宅より持ち込みまして作業をした次第です。帰宅すると息子が、洗髪したは良いがドライヤーが無いとむくれていました。親父、ドライヤーぐらい買ってもらえよ!
イヤハヤ仰る通り。凡の窪に手を当てる親父でした。
日本橋店中古売場 田口由明
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