修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.07.15
甲斐の国から遊びに来ました。チョイト相談なのですが、ハッセルのウエストレベルファインダーの開閉に不具合があります。何とかならないかと相談をしたところでは、自分で直せと理不尽な返事なのですと話されたのです。
その様な縁で頼むよと送られてきましたのが、ミノルタオートコードで外部生の入院となりました。
製造から50年を迎えようとしておりますから擬皮の性が抜け、剥がそうとするとバリバリの粉砕状態になり得ます。
邪魔になります巻き上げハンドルや、他の部品も出来るだけ外しましてコピーするのです。
コピー機の硝子面から多少の距離が生じ誤差が出ますが、まずまずの原寸に近い型を取ることが出来ます。誤差分を修正して切り出せば型紙となります。
幸運と言いますか?粉砕せずに剥がすことが出来ました。将来に備えて(始めて手掛けますので次回は60余年後ですが。。。)コピーを取っておきます。
5本のネジを外し、貼り板を分離します。
巻き上げ機構部が姿を表しました。作業を見ておりましたお客様が「何時お店に並びますか?」の質問に修理依頼品ですと答えると落胆をしておりました。
何せ初めてですから、機構の検証をしなければならず、何度もフィルムを巻き直しまして各部の動きを確認します。
原因が分かりました。枚数計が送られないのです。
枚数計が送られませんから係止レバーが直ぐに働いてしまいます。そうしますとフィルムが十分に送られません。修理と言う物は症状が同じでも原因はそれぞれ違ってきます。
送られない原因は、枚数盤と戻しバネの接触面に錆が在りました。
枚数盤の裏側には山と谷が刻まれており、係止レバーが山に乗っている間にフィルムが規定距離送られると共に枚数盤が動いていきます。規定距離を運動しますと谷に係止レバーが入り、フィルム送りとシャッターチャージが終了します。
この患者の場合は、枚数盤が動けませんから、直ぐに係止レバーが掛かってしまうのです。
まぁ~年ですから、グリスと言う軟骨が無くなり錆びて仕舞ったのですね!
おやぁ~銘板がガタついています。ネジでも緩んでいるか?と、ファインダーを外しますと1本欠落しておりました。インプラントでもしますかね。
私の奥歯みたいなのです。親知らずを除きまして2本を失ってしまいました。
先日、歯の掃除に行きましたら奥歯の冠が半分欠落していると言われてしまいました。
残りの冠を取り去りますが、虫歯になっている可能性もありと言われてしまいまして、虫歯なら、なるべく削らずに3mix-mp法で治療して欲しいと願いました。
結局は大事に至らずに済みましたが、3mix-mp法とは、抗生物質のメトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロフロキサシン三種の薬剤で無菌化する方法です。万能治療法では在りませんが、歯を失いますと不便ですから、少し神経質になっていたようです。
日本橋店中古売場 田口由明
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