修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.08.11
他店から困りましてね!と愛?の玉手箱が届きます。玉手箱は、開けてはならないですよね!
煙の中からどの様な困りものが現れるか恐怖を覚えます。
矢張り煙が去ると、とんでもない民具が現れたのです。当時の修理部は分業制で暗黙の内に不可侵条約が締結されていたのです。まぁ~余りの物量に自分の頭の蠅を追うので精一杯でしたがね。さて、何処から腑分けを致しましょうか?
巻き上げクランク側のカバーを外さねばなりませんから、ここぞと思う部品を外していきます、
最後に残りました12-24切替ノブです。ネジの隙間から硬球がみえます。禁断の果実を食べるべきか?食べてはいけないのかを知るよしが在りません。
ネジを少し緩めます。カバーがその分浮きます。となれば、禁断の果実をかじることにします。ネジを最後まで緩めますが、抜き去ってはいけません。ネジ頭を押さえながらカバーを外します。
さて、この先どうしましょうか?勝手に名付けました三叉路軸受けを慎重に外します。
三叉路軸受けの下には複数の歯車が在ります。組み込み情報がありませんから、歯車の咬合がずれないようテープで固定をしておきます。
赤丸部のカシメが緩んでおりました、この歯車は、他の歯車と咬合しており黄色点線に罫書きを入れてから外すことにしました。
2カ所のピンと言おうか突起のカシメが緩んでいるのが確認できます。
再カシメをしまして組み込みますと動作するようになりました。
カシメが緩み、僅かな高さの差違が悪さをしていたものと思います。
安心の為に反対側のカバーも外すことにしました。
此方側のカバーは漏光防止のモルトの城壁に囲まれています。お手々が黒く汚れる事になります。モルトを朱肉変わりに拇印でも残しておきましょうか。。。
なんだろね~この金属筒は?
外しますと空気バネのエアーダンパーでした。縦にしますと汚れで内筒が速やかに落ちません。分解しまして清掃を致します。右端に位置しているネジも外しましたら、片方にテーパーが切ってあります。何の為にテーパーが在るのか?考えました。
空気バネですから、空気の排出が行われなければバネの役割をしません。バネの作用に見合うよう排出量を調整していたのです。即ち、深くねじ込めば、排出量が小さくなり、浅ければ大きくなります。清掃後、縦にしまして内筒がゆっくりと空気を押し出す様に調整をしたのです。
本日は洗髪日、幾分抜け毛が多い気がします。
日本橋店中古売場 田口由明
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