修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.08.18
小生の休日中に買い受けましたと、早速の入院です。
巻き上げが180度毎に重くなる症状です。スプロケット軸の偏芯か?
兎も角、開腹をすることに致します。
肝腎なモルト(遮光スポンジ)が加水分解しています。交換しましょうね!
巻き上げが180度毎に重くなる原因がありました。
何でか?何でか?何でもフラメンコ♪と、意外な部品が巻き上げノブの下にありました。
このワシャーは何処に在ったのでしょうか?多分、組み立て時に部品の組み込み位置を失念し「此処だよね~」と組み込んだのでしょう。
枚数計の位置も90度程(点線位置)ずれております。巻き上げた時にゼロと40が実線の位置に在るのが正しいのです。
では、失念したワシャーの正しき位置は、と申しますとシューの下と上カバー右側になります。即ち両者の隙間調整のワシャーだったのです。
両者に入っている場合もあり、単数の場合ありです。
今回の検証の結果シューの下となりました。その根拠は、上カバーと巻き上げノブとの隙間取りだったからです。此処に入れませんと上カバーが巻き上げノブに当たるからです。
ファインダーが清里の朝霧状態です。陽が昇れば朝霧は晴れますが、汚れは晴れません。
対物レンズのエポキシ接着を剥がすのは大変危険を伴います。危険は危険ですがF硝子を選択します。カッターで積み木崩しの如く削いでいきます。
清掃後の再接着の際はクリップでF硝子を挟みます。挟むことによりファインダー本体とF硝子の隙間を無くすのが目的です。隙間が在りますと接着剤が浸透し汚い仕上がりになります。
2種類のエポキシ接着剤を混ぜ合わせます。混ぜた当初は流動性がありますので暫く硬化するまで待ちます。角が立つ程が良いでしょう。それから目的の場所に接着します。
そうすることにより、僅かな隙間への浸透を防ぐことが出来ます。
巻き上げの調子を確認するには枚数計飾り環を取り付けて行います。
取り付けることにより枚数計が水平になり、各歯車との咬合が適正になります。
枚数計飾り環を取り付けないと枚数計が傾き、他の歯車との適正が取れませんから巻き上げが重くなったり偏芯したりします。
蘇りました漆黒のオリンパスペンWです。
ペン系の中では稀少種であり、レッドカードの機種でも在るのです。
修理が出来ないからと諦め、価値を見いだせないまま破棄されてしまうのです。
小生も残りのローソクがどれ程なのか分かりません。
今週末には、都下檜原村での蕎麦作りが始まります。
日本橋店中古売場 田口由明
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