修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.08.19
人それぞれ価値観が違うのが当たり前、故に世の中お金が回る。チョイト、マイナーな民具に大変興味を抱く同僚がいます。てな訳で動かないけど良いレンズなのですヨと、耳元で囁きます。危ない危ない。この囁きを「悪魔の囁き」と呼ぶことにします。
ヘリコイド&絞り環は固着してガンとして動かず。レンズはカビだらけ、猫灰だらけである。
実演修理現場や店舗ブログ記事見られているお客様が色々と助けてくれるのです。
このパーツクリーナーも紹介して戴きました。バイクの頑固な汚れを洗浄するのに使用するそうです。
品質の悪いグリスが固まり固着したヘリコイドです。アセトンに付けると良いとの情報がありますが健康的ではありません。湯煎も良いとの事ですが、鍋が使い物にならなくなります。長尺フィルム缶にヘリコイドを入れパーツクリーナーを吹きかけます。そして、そのまま密封放置。ガマの油は三七二十一日間トロ~リ・トロ~リと煮詰めますが、先週木曜から今週火曜日まで都合二三が6日間パーツクリーナー漬けにしましたらグリスが溶解しました。
使い古しの歯ブラシと残りました溶剤で線条を洗浄します。爪の中まで汚れてしまい、悪臭には閉口します。(ヘリコイドの加齢臭は凄い)
絞り環も固着しています。此方はレンズが組み込まれておりパーツクリーナー漬けにする訳に行きません。隙間にパーツクリーナーを浸透させ動くようにしました。
所が、此処からどの様に分解するかで悩みます。前群レンズは外れない。レンズ迄固着かと思っちゃいました。ではと、絞り制限ネジと絞り作動軸ネジを外して見ました。
そうしましたら鏡筒部が回転します。ヨシヨシと回れ回しましたら絞り値作動環と分離したのです。
前群レンズが外れない原因が判りました。各々のレンズが緩まないようセットネジで固定してありました。
果報は寝て待てとの6日間でしたね!
この蒸し暑さの中、長きに亘り寝ておりますと首の回りにアセモが出来そうです。
桃の葉を探しに行こう~っと。
日本橋店中古売場 田口由明
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