修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.08.27
裏側から座金を外せば簡単に本体と分離する。
微かな記憶では前群レンズが外れる筈である。記憶違いか?何度か外そうと挑戦するが、先日治療した奥歯を痛めてはなにもならない。前環を外す。
銘盤は前群レンズにしっかりと接着されている。溶剤であるMEK(メチル・エチル・ケトン)で緩める。
秒時設定環を外し、握りやすくなった前群レンズの外しを試みるが諦めた。
万事休すの本格ジャンクになり得るのか?思案する。
どうせ、だめもとであるからしてシャッター前室を止めているネジを外してみた。
楔ピンを外す際は抜く方向に注意しなければならない。形状を凝視して細い方を叩く。
障害物も無く素直に外れた。
その前にシンナー等の薬品を注射器で隙間(赤丸部)に注したが効果無しであった。
シャッター羽根を取り去ると前群レンズを取り付ける線条(赤丸部)が見える。
注射器でシンナーを入れて待つこと数分、前群レンズが外れたのである。
前群レンズが外れなければ、本当に万事休すである。と言うのもシャッター前後を止めているネジの一つが貫通ネジで、S羽根逆流防止バネの掛かりになっているからです。
持病の羽根油を洗浄して組み立てたのですが。。。。。
セルフタイマーのラチェットB歯車の先端が摩耗して、順・逆動き放題なのです。
之ではセルフタイマーの役目をしません。
代替えのシチズンのシャッターがありません。
そう言えば、お仲間のコパル製があったと引き出しをゴソゴソ。
見つけ出しまして入れ替えてみました。ドンピシャリである。
使用しましたのはキヤノネットに搭載されているシャッターで、ラチェット歯車を移植。とんだコラボレーションでした。
日本橋店中古売場 田口由明
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