修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.09.25
調べてみると、レンズはPromar.SⅡ75mm1:3.5 旭光学製(現HOYA)。シャッターは甲南カメラ研究所のコーナンフリッカー(現コーナン・メヂィカル)。
甲南カメラ研究所は、旧制甲南高校(現甲南大学)の写真部の有志により設立されと在りました。1951年製造であるから58年目の出会いですね。
当初、担当部所から修理を頼まれましたが、動作不良でジャンクコーナーへとなった次第です。其れを目聡く見つけられましてダメ・ダメ直さなくちゃ。。。。の入院となりました。
ご多分に漏れずクモリにより散光した入射光は、雨戸の隙間から差し込む複数の条光を呈しています。
洗浄液と溶剤で拭きますと秋空になりました。
制限ネジを外し、ヘリコイドを送り込む(赤矢印方向)と終端位置になる。
裏側から座金を外し、シャッターを分離する。
表示化粧盤を固定している赤丸部のネジを外し、反時計方向に動かすと固定翼が外れ、外す事が出来る。
今日のシャッターと違い秒時カム盤の下に機構部が現れない。
ならばと、裏側の3本のネジを外す。
隠れん坊していた機構部が顔を出しました。
シャッター羽根の裏側はプレス抜きした際に出来た僅かなバリが見受けられるので、組み込みの際は、表と表が合わさるようにする。
初期型のペンのシャッターも同じですが、この手のシャッターの部品を無闇に外すと調整に手間取るので最低限に止める。スローガバナは、愛犬クイーポの踏ん張りに似て、頑として動かない。アルコールを噴射すると動き出した。その後、歯車軸に注油する。
シャッター秒時を作り出すのは、主・副バネの助け合いである。
高速と言っても1/200ですが、副バネレバーが赤矢印方向に押されることによりバネ圧が高くなる仕掛けになっている。(一つ手前の画像参照)
58年目の出会いは無事に修繕することが出来ました。
次にエメット・ブラウン博士は、デロリアンで何年前に連れて行ってくれるのでしょうか?
日本橋店中古売場 田口由明
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