修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.10.19
漆黒の塗装は漆と間違える程の深みを帯びている。良い仕事しているね!
これだけの仕事は出来ないと思う。時には取り付けられているシャッターの黒塗装はおざなりになりがちだが同じように漆黒の塗装が施されている。当時のシャッターの供給元の服部時計店と良好な関係だったのだろう?確か、後に服部時計店の応援を受けたと記憶している。
シャッターを外した本体です。
2回巻き上げの機構となっている関係から巻上解除レバーがシャッター側のチャージ環の動きに連動している。その姿は見えないが、巻上解除レバー奥に2回巻き上げの機構の仕掛けが在るらしい。
レンズ・秒時表示環・秒時カム板と外していく。
お~っと。すっとこどっこい機構部が現れたが化粧環と言う城壁が邪魔をしている。
城内に侵入するには搦め手から攻めるようだ!!
1と2のネジを外せば絞り値作動環が外せる物と思っていたが外れない。未だガイド板が押さえているのである。3と4の脇にある穴をガイド板押さえのネジ頭に合わせて4本のネジを外せば何でも無いことであった。穴の意味を熟慮しなかった点は反省しなくてはならないが、大事に至らずに良かったと胸をなで下ろす。新顔は危険きわまりない。
絞り値作動環の下に絞りクリックバネがある。
帰りがけに絞り値作動環の3と4の穴の意味が理解できました。
画像は穴の意味を考えませんからガイド板が取り付けられたままになっている。
ガイド板の3と4のネジを外したら絞り値表示環が外れ、城壁が取り去られました。
何度か過去記事でセイコーMX・MXLの分解過程を解説していますので、途中部分は割愛をしました。この後、尚も分解洗浄を致しました。
巻上解除レバー一を右側のレイヤー画像と比べて下さい。
シャッターのチャージ環が巻上解除レバーを上に持ち上げたのが分かると思います。
この仕掛けにより2回巻き上げが行われる訳です。その機構は見ることが出来ません。
そんな訳で、シャッターを本体に組み込む際は、巻上解除レバー・セットレバー・レリーズレバーの3ヶ所を咬合させなければならないのです。
所で昨今の中古品の好みとしてN社やC社の主力製品よりマイナー機種に人気が集まるようです。何れ補修部品や製造元の修理受付停止によりAF機は姿を消すことになりますが、機械式は知識を持ち合わせた方がいる限り残っていくことでしょう。
日本橋店中古売場 田口由明
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