修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.10.28
中古屋は楽しみが無くてはならないと常々思っているのです。
若い頃、欲しくても諸事情によりあこがれではあるが願いが叶わなかった時があったと思います。
故お茶の水先生はニコンF501に憧れたそうです。学舎の時代恩師がお持ちで自慢していました。苦学していた自分は自慢話を聞かされ、何時か手に入れることを夢見たのでした。後日、集めた10余台のF501が遺品の中にありました。
此度のリコーキャディーはハーフサイズカメラの中で出会いを求めていた民具です。
ペトリリハーフ・ヤシカ72Eは手入れしました。何か足らないね!
リコーキャディーが在ると良いね!の思いが通じたのか?入院してきたのです。
上カバーを外しました。あれ~ファインダーが無くなっちゃいました。
大丈夫です。セレン露出計・ファインダーは上カバーに組み込まれていました。
汚れあるファインダー清掃の為に組み品を外してみると、外れたレンズが「Shall we dance」と囁きました。
底カバーを外しますと金属製の蒸気機関車の動輪の如しの巻き上げノブが印象的です。
この時代プラスティック素材のノブが一般的の中、金属素材を選択した製造元に拍手を送りたい。
距離環を止めている3本のセットネジを外せば~
前群レンズ・ヘリコイド・花丸環(貰った記憶がない)・押さえ環・秒時カム環・絞り値環と外していくとシャッター機構部が露出する。
シャッターはキヤンデミ系と同じSEIKOSYA製が搭載されていた。
作動せずの所見は油分の湿潤(赤丸部)であった。この所見はレンズシャッターの宿命であり持病でもある。
白丸部にはカビが発生しています。
シャッターの一方にカビが発生して成長していきますと菌糸が伸びもう一方の羽根に伝播するのです。そうなると油分の湿潤と同じように貼り付いて開かなくなります。
日本橋店中古売場 田口由明
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