修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.11.17
この所、修理記事がないね!と閲覧者から指摘されてしまいました。
毎度同じ患者ではとネタ切れ状態の中、ネタになる患者が入院してきました。
其れも、一時は心肺停止のジャンク製造者になるところでした。
距離環を外そうとしましたら。。。。
ありゃりゃ。内ヘリコイドが抜けてしまいました。まるで素人的な事が起きてしまいました。この困惑は、三方原で武田方に敗北した後の家康の肖像画の顔です。
距離環に取り付けられている制限板が抜けるように中ヘリコイドに切り通し(赤丸部)が用意されていたのです。そりゃそうだよね!物理的に抜けませんもの。
初めての分解ですから、背景が解らなかったのです。
直進キーを外してしますと取り付けが出来ないようです。
暫し瞑想・妄想、危ないことを考えているのでは無いですよ。
ペンF系のヘリコイド組み込みが応用できるかも知れないと豆電球が点灯しました
早速、実践することにしました。
中・外ヘリコイドは外れていませんね。中ヘリコイドを終端位置迄回し、両者に罫書きを入れます。
終端位置から中ヘリコイドを①赤矢印方向に一回転繰り出しまして罫書き線に合わせます。
暫し外れました内ヘリコイドを観察しました。フムフム。画像では判別しづらいのですが、二カ所の直進キー溝が中心より僅かにずれております。
ずれておりますから組み込む位置が決まりました。
外・中ヘリコイドを動かさないよう固定して内ヘリコイドを組み入れます。
そうしますと、直進キーと直進キー溝が咬合する位置に来ます
レンズマウント側から直進キーと直進溝が合わさるのが確認できます(赤丸部)。
内ヘリコイドと外ヘリコイドが動かないようにして中ヘリコイドを赤矢印方向に回しますと直進キーが直進溝に完全咬合するのです。
絞り羽根に油分の湿潤が見られるから、ナマケモノの動きになってしまう。
通称焼けていると言われている黄色いレンズだ。
他社でも見受けられる。経年変化か?それとも素材に酸化トリウムを含んでいるのかは分からない。
酸化トリウムを使用すると超低分散ガラスを作ることが出来ますが、数年で黄色く放射壊変する放射能の問題があるようです。
いやはや完成しました。カメラに取り付け無限合致を会わせました。GOODです。
修理中にお客様が「みっ~けた」と予約を戴いてしまいましたからジャンク製造者にならずにホットしています。
どうも、公開修理は心労に繋がります。個室の用意を頂けませんね。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。