修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2009.11.19
デフレは経済活動を低下させる。正に中古市場はデフレの真っ直中。以前と同じ台数を販売したのでは売上が確保できない。政府もここに来てデフレを認めざるをえないようだ。
中古価格のデフレは購入者には好機であるからして忙しい。手空きの時間が取れない。
けれども売上は伸びず、尻を叩かれ真っ赤っか状態。家に帰り湿布を貼らねばならない。
湿布代もバカにならないから隠居でもしますかね!
売上を伸ばす秘剣が無いか藤沢周平さんに聞いてみたい心境である。
電池接片はモールドで溶着されているが、電池を入れることにより加圧されます。
そして長い間加圧され続けますとモールドが疲癖して破損してしまいます。
もう一つの要因として電池の漏液によるアルカリ液があります。アルカリ液はモールドを変質させるのです。又、接片に接続されているリード線にも滲みて毛細管現象により内部の銅線が腐食するのです。リード線を腐食させる要因に起電時の水素ガスがあり、マイナスの電位に集まる性質があります。それ故、マイナスのリード線の腐食が顕著になります。
この患者の電池接片は接着と言う方法で補修してありました。接着は便利な方法ではありますが、加圧され剥離をおこしますから良い方法とは言えません。
一番の方法は交換する事です。補修部品の払底で難しいですから手の掛かる方法で修復します。
此処で役立ちましたのが6月にビッグサイトで開催された設計・製造ソルーション展でサンプルとして頂いた1.4mmのネジです。
ドリルで穴開けします。
ネジピッチがミリでしたから1.4mmタップ立てをします。
両者の接片のネジ止めが終わりました。恒久的な処置をしましたから、この先小生より長生きをすることでしょう。
残る腐食したリードの交換に入ります。
距離計組み品を外すと連絡基板があります。前板を分離するのにハンダを外します。
画像下側のレイヤー画像は4本のリード線を外した状態です。
本体から前板分を分離し、座金を外し、シャッターを下ろします。
Cds素子に繋がる青のリード線はマイナスです。線を伝わりました腐食ガスにより基板(赤丸部)が腐食されています。
両電極のリード線はシャッター側面を這っており、面倒な作業となります。
使用電池は、使わないときには外しておく気配りが愛機を長持ちさせる事に繋がります。
日本橋店中古売場 田口由明
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